「排外主義にNO! 福岡」

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福岡市への申し入れ

福岡市 
市長 高島 宗一郎 様
福岡市教育委員会
教育長 酒井 龍彦 様 

                                     排外主義にNO!福岡
                     
 
 
   福岡朝鮮初級学校補助金の早急な交付を求める申入書 



 「排外主義にNO!福岡」は、2009年12月の京都の朝鮮学校への差別的「襲撃」事件を見過ごすことは出来ないとして、これを契機に改めて日本の戦後責任を問うこと、そして福岡和白にある朝鮮初級学校に通う子どもたちへ同じような悲劇を起こさないことを求めて立ち上げました。
本会は、福岡の地において、これまでも人権・平和・労働問題そして戦後補償問題などに取り組んできたものたち(学者や人権や労働運動の活動家をはじめとした市民)によって、学習会や街頭でのアピール行動、朝鮮学校との交流などの活動を継続してきました。

 しかしながら、結成後に、政府は、高校無償化の施策において、その対象から朝鮮学校を排除し、未だに放置したままです。2010年に国連・人種差別撤廃委員会が、朝鮮学校への「高校無償化」制度の適用除外について、「子どもの教育に差別的な影響を及ぼす行為」として懸念を表明したように、日本政府の措置は法制度的なレイシズムとして国際的にも非難されるべきものです。加えて、この間の日本政府の姿勢は、地方自治体による教育補助金にも悪影響を及ぼし、大阪をはじめ各地で朝鮮学校への補助金支出を削減する動きを助長しています。こうした日本政府および地方自治体による排除は、1948~49年における朝鮮学校の閉鎖措置に並ぶ歴史的な大弾圧であり、植民地主義と冷戦の重畳する歴史が未だ終結していないことを想起させます。

 そのような時勢において、福岡においても同じような排外的言説や活動が止まることなく、今回その一つである在日特権を許さない市民の会(以下、「在特会」)によってなされた本件監査請求があります。貴職らは、この排外的な団体である「在特会」からの住民監査請求を受け、それに基づいて、本年6月15日朝鮮学校に対し交付していた補助金の内計60万7,310円の返還請求をなし、さらに6月18日には加算金として金17万9,274円を請求し(以下、本件処分)、同校から右金員を返還せしめました。しかしながら、本件処分は、以下に述べるとおり、「国籍による差別をなくし国際協調していこう」とする市政に反するもので、さらには、同和教育などを通してあらゆる排外・差別を是正しようと尽力する人権先進都市・福岡市の姿勢に逆行するものです。


1,ためにする住民監査
 「在特会」がなした住民監査請求は、真に税金の使い道を糾すために為されたものではなく、朝鮮学校を嫌悪する「在特会」の朝鮮学校潰し、排斥を目的としたものであることは、誰の目にも明らかです。2009年12月の京都における朝鮮学校襲撃事件(拡声器で、「スパイのこども」「キムチ臭い」など、聞くに堪えない暴言を連発した事件)、四国における教組乱入事件、奈良県の水平社記念館襲撃事件(「エッタ」などの差別用語を館内でくりかえす事件)など、「在特会」による民族差別・人権侵害事件は、いずれも刑事裁判において、有罪判決が下されています。
 それ故、福岡市においては、福岡市人権啓発センターココロンが「在特会」の入会を認めないという良識的判断からも明らかです。
 このような「在特会」からの住民監査請求を適法なものとして受理し、ためにする住民監査請求に乗っかる形で、いったんは実態調査を経た上で問題なしとされていた監査を再度実施し、まさに重箱の隅をつつくようにあら探しをした結果なされた勧告は、前記した福岡市の姿勢に逆行するものです。

2,加算金の請求は不当
  福岡市福岡朝鮮学校補助金交付要綱第19条には、補助金の返還を命じなければならない。と定めています。また、第20条には1項において、年10.95%の割合の加算金の納付を義務づけられています。しかしながら、年10.95%もの金利を課しているのは、どうみても制裁金の意味合いが強く、加算金が制裁の意味相を持つものである以上、その適用に当たっては慎重な検討が為されて当然です。同条5項において、「市長は、第1項から3項の場合において、やむを得ない事情がある場合、加算金及び返還金の全部または一部を免除することができる。」と謳われています。この趣旨は、加算金の請求について機械的に課すことなく、「やむを得ない事情」の有無を慎重に判断すべしと解釈できます。ここに言う「やむを得ない事情」の判断基準の要素としては、目的、手段、態様、結果の重大性等があげられ、その総合的評価の下に減免の可否が決せられるべきものです。また、この判断に当たっては、行政手続き上、先例、他例等との比較も重要な要素として考えられます。
 本件の加算金の請求に当たって、このような慎重な検討が為されたのか否か、担当者(教育委員会学事課係長高田氏)に聞いてみたところ、「先例、他例等一切当たっていない。」「『やむをえない事情』」に当たるのか否かの検討もしていない」ことが明らかとなりました。なお、監査委員会事務局によると、「記録が残っている限り(文書保存期限は、5年間)、補助金の返還や加算金の請求の事例はない」とのことでした。
この様に、先例、他例がない事案である本件において、「やむをえない事情」の検討もなしに、機械的に加算金を請求した本件処分は、先に「処分ありき」の姿勢から出た不当なものと判断せざるを得ません。

 以上述べたように、本件処分は在特会の「ためにする住民監査」に煽られた結果為されたもので、結果的には、在特会の朝鮮学校潰しに加担したものと言わざるを得ません。加えて、加算金まで請求した本件処分は、福岡市自らが定めた要綱にも違反する不当なものです。本件処分の結果、朝鮮学校に対する排外主義が煽られ、ひいては、朝鮮学校に学ぶ子どもたちの人権が侵害されたことは、日本政府が批准した世界の子どもの権利条約にも違反するものです。

 したがって、市は本件処分の反省の上、早急な補助金の交付を求めると同時に、市が今後の財政から私学補助金とともに削減するとの方針を撤回し、朝鮮学校への補助金の継続を強く求めるものです。また、朝鮮学校の歴史的な位置や民族差別を許さない視点からも、貴職が広く市民に訴えていくことこそ求められるべきことです。

 以上の理由に基づいて、会は下記のことを申し入れます。これらについて、12月25日までに文書にて貴職の真摯な回答を求めます。

                        記

1.福岡市が福岡朝鮮初級学校に請求した補助金の一部607,310円を、返還すること。
2.福岡市が福岡朝鮮初級学校に請求した加算金179,274円を、返還すること。
3.2010年度以降の福岡朝鮮初級学校への補助金を早急に交付すること。
4.福岡市は、朝鮮学校への補助金廃止の方針を撤回すること。
5.福岡市は、朝鮮学校をはじめ福岡市で学ぶ外国人籍の子どもたちの人権を保障すべく、広く学習  や研修を進めていくこと。

                                     以上
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by saynotoracism | 2012-11-26 16:12